ラスベガス(ネバダ州、米国) – 自動運転から、スマートホーム、製造に至るまで、人工知能(AI)は日常生活には欠かせない存在となっています。AIとモノのインターネット化(IoT)を駆使することで、ボッシュは人々の生活における利便性を向上し、また可能な限り安全なものにします。ボッシュはテクノロジーとサービスに関するアプローチを要約し、「有益なAI:テクノロジーに対する信頼性を共に構築」というスローガンを掲げています。本年のCES国際家電ショーでは、スマート製品の製造に向けた安全でロバストなAIを中心に展示します。CES国際家電ショーで初公開する自動車向けのバーチャルバイザー(Virtual Visor)は、AIベースのデジタルサンバイザーで、ボッシュの自動車向け3Dディスプレイと同様、CES®イノベーションアワードを受賞しています。

CES国際家電ショーでは、ボッシュのAI関連ソリューションの展示ハイライトとして、国際宇宙ステーションの予測保守用のアプリケーション、車室内モニタリングシステム、医療診断向けのスマートなプラットフォームなども展示します。ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーのミヒャエル・ボレは、「CES国際家電ショーでボッシュが展示するソリューションによって、ボッシュはAI分野でも技術革新のリーダーを目指していることがお分かり頂けるかと思います。2025年には、ボッシュのいずれの製品にも、AIが備わるか、または開発や製造の過程でAIを活用することになるでしょう」と語っています。全世界のAIソフトウェアの売上高は、2025年までに約1,200億ドルに達する見込みです(出典Tractica)。ボッシュでは、市場に前向きに取り組んでおり、すでにソフトウェアの開発に毎年37億ユーロを投資し、現在3万人以上のソフトウェアエンジニアを雇用、1,000人の従業員がAIに従事しています。

さらに、ボッシュでは包括的なトレーニングプログラムを策定しました。「今後2年間で、AIに精通した従業員を約2万人にすることを計画しています。AIだけでなく、人間の知能にも投資する必要があるからです」とボレは説明します。このプログラムでは、マネージャー、エンジニア、AI開発者向けの3種類のレベルのトレーニングフォーマットを準備し、AIを使用するにあたってのガイドラインも含まれています。これらの準備にあたり、ボッシュではAIのセキュリティと倫理の問題に向けた独自のAI原則を策定しています。ボッシュの有する専門性やAI原則をもとに、ボッシュでは、顧客やパートナーとの信頼関係を構築することを望んでいます。「技術的・倫理的な原則を十分に理解した人であれば、データセキュリティと主権がどれほど重要なものであるのか理解されていると思います」とボレは言います。「ある意味、信頼はデジタル世界における製品品質なのです」

専門知識が生命を救う
AIの産業的適用は、将来的には専門知識のひとつの中核領域になるとボッシュは考えています。「私たちがAIを活用するのは、人間の行動モデルをつくるためではなく、人々の役に立つようにテクノロジーを進化させるためです」とボレは語ります。「そのため、産業用のAIは安全かつロバスト性があり、説明可能でなければなりません」。ボッシュでは、路上から自宅、製造現場に至るまで、常に人間がコントロールし続ける必要があると考えています。

人命を救うドライバーセーフティシステム(ABS、ESP、エアバッグコントロールユニットなど)の開発の先駆者であるボッシュは、人間が信頼性の高い機械の恩恵を受けていることを証明してきました。AIにより、ドライバー アシスタンス システムをいっそう効率的でインテリジェントにすることもできます。たとえば、部分的に隠れた歩行者がボッシュの自動運転用のAIカメラによって特定されると、衝突被害軽減ブレーキアシスタントはさらに高い信頼性で反応できます。ボッシュは「Invented for life」な学習テクノロジーを開発しています。

ボッシュはAIキャンパスに1億ユーロを投資
技術革新には投資が欠かせません。ソフトウェア開発への投資だけでなく、ボッシュは世界中で人材とコンピテンスセンターに投資をしています。たとえば、ドイツのテュービンゲンでは、新しいAIキャンパスの建設に1億ユーロを投資しています。この新しい研究複合施設への移転は2022年末を予定していますが、約700人のAIエキスパートが独創的で生産的なやり取りをするスペースが生まれます。これには、ボッシュのエキスパートだけでなく、社外のスタートアップ企業や公共研究機関からのエキスパートも含まれます。この新しいキャンパスは、「サイバーバレー」のエキスパートの間でのやり取りを強めることになるはずです。ここでは、「一緒に信頼を構築すること」が現実となることでしょう。ボッシュは2016年に設立された「サイバーバレー」の創設メンバーです。この共同研究ベンチャーは、AI研究を前進させ、研究で得られた知見を速やかに現実世界の産業用途に応用させるための、産業界、学界、政府パートナーの集まりです。

さらに、AIセンター(BCAI: Bosch Center for Artificial Intelligence)が世界7拠点、うち2拠点を米国カリフォルニア州サニーベールとペンシルベニア州ピッツバーグに設けています。現在、BCAIでは合計約250人のAIスペシャリストが勤務し、モビリティ、製造、スマートホーム、農業の分野の150以上のプロジェクトに携わっています。

米国生まれの世界初のバーチャルバイザー
ボッシュのAI関連の独創的な人々は、モビリティ、スマートホーム、インダストリー4.0向け製品の技術革新に取り組んでいます。自動車セクターで世界初のAIとなる透明なデジタルサンバイザー「バーチャルバイザー」は、米国発で、ラスベガスで初公開されます。透明なLCDディスプレイに接続された車室内モニタリングカメラが、ドライバーの目の位置を検知します。バーチャルバイザーはアルゴリズムを駆使して情報を分析し、ドライバーの目に光が届く部分のフロントウインドウのみを暗くします。本バーチャルバイザーは、CES国際家電ショーのベストオブイノベーションアワードにおいて、カテゴリー最高得点を獲得しました。また、ボッシュの新しい3Dディスプレイも当該カテゴリーで優勝しています。3Dディスプレイは、パッシブ方式3D技術を用いてリアルな3D効果の画像を生成し、警報を発します。これにより、従来の画面よりもすばやく視覚情報を把握することができ、ドライバーの交通安全が向上します。

さらなる安全性をもたらすのは、ボッシュの新しい車室内モニタリングシステムです。このシステムは、まぶたの動き、視線の方向、頭部の位置に基づき、ドライバーが眠気を催したり、スマートフォンを見ていることを検知し、危険な状況を警告します。また、車室内をモニターして、乗員の人数、乗員が座っている姿勢やポジションを特定します。これにより、緊急時にエアバッグなどのセーフティシステムを最も有効に働くように調整することが可能になります。

2019年、ボッシュのドライバー アシスタンス システムの売上高は12%増の約20億ユーロとなりました。これは自動運転に向けた布石となります。将来、高速道路などの走行区間で車両が部分的に自動運転モードになっているときは、ドライバーモニタリングシステムが不可欠なパートナーになるでしょう。こうした状況では、ドライバーがいつでも安全に運転に復帰できることをカメラによって確認可能となります。2022年までにボッシュは約40億ユーロを自動運転に投資し、5,000人以上のエンジニアを雇用する予定です。この分野でのセンサーの製品ポートフォリオを締めくくるものとして、現在、ボッシュはLiDARセンサーの生産準備に向けても取り組んでいます。LiDARは、レーダーとカメラに次ぐ第3の重要なセンサー技術です。ボッシュの長距離LiDARセンサーは、遠くにある非金属の物体(たとえば路上の石など)も検知できます。

宇宙および医療分野で利用されるボッシュのAI
ボッシュは、2019年末に宇宙に送り込まれたSoundSeeセンサーシステムに関して、高い目標を設定しています。NASAの自律型飛行ロボットAstrobeeに搭載されたSoundSeeは、ISSの異常な音を隔離し、AI駆動型の分析技術を駆使して音を分析し、保守が必要になると通知します。2020年の初めには、SoundSeeが捉えた音声データが、米国ペンシルベニア州ピッツバーグにあるボッシュ研究開発センター内、NASA仕様の地上管制施設に送られます。ランチボックスよりもわずかに大きい程度のSoundSeeは、NASAとの研究協力の一環として、米国でAstrobotic社と共同で開発したものです。

ボッシュではまた、革新的な医療診断向け病理プラットフォーム、Vivascopeの開発を進めています。Vivascopeは血液やその他の体液などの標本を拡大し、顕微鏡的所見をデジタル化した後、AI駆動型アルゴリズムを用いて分析します。細胞の異常を正確にすばやく特定することができ、医師による評価と診断に有益なサポートを提供します。

日常のメガネをスマートにするスマートグラスLight Drive
CES国際家電ショーでは、ボッシュはAI以外の技術革新も多数発表します。たとえば、Light Drive スマートグラスは、普通のメガネをスマートグラスに変える世界初のセンサーベースのソリューションです。既存の製品よりも奥行きを約3分の1削減し、重さは10g以下です。目の網膜に画像を直接投影することで、ユーザーはナビゲーション情報からテキストメッセージ、カレンダーや操作説明に至るまで、スマートフォンまたはスマートウォッチから受信する情報を、直射日光の下でも鮮明に認識することが可能です。

CES国際家電ショーでは、ボッシュはIoTシャトルの技術展示を通じて、シャトルの電動化、自動化、ネットワーク化、パーソナライズ化に向けた、自動車メーカーとモビリティサービスプロバイダーに提供するソリューションを示します。ボッシュはコンポーネントにとどまらず、フリート車両の運用から管理、充電およびメンテナンス方法に至るまで、柔軟性および安全性の高いネットワーク化されたモビリティサービスをも提供します。ボッシュのブースでは、ネットワーク化されたEmissions-free(排気ガスのない)の未来のモビリティに向けた駆動技術とセンサー技術の一部もご覧いただけます。

家屋全体のためのソリューション:住宅用IoTの製品ポートフォリオの拡充
ボッシュは、家庭におけるモノのインターネット化(IoT)に向けてサービスの範囲を拡張しており、CES国際家電ショーではオープンなホーム コネクトプラットフォームを展示します。2020年半ばより、ホーム コネクトのアプリを使って、照明、エンターテインメント、スマートガーデニングに関する各種メーカーの機器を制御できるようになる予定です。現在40のパートナー企業の数は今後2倍以上に増える予定で、家庭における利便性と効率性を向上します。

環境を守るスマートテクノロジー
こうしたすべての革新的な製品の基礎には、ボッシュの起業家精神があります。「私たちは、商業的責任、環境的責任、社会的責任を調和させたいと思っています」と、ボレは述べています。気候変動問題も主要な関心事であり、「ボッシュは環境にやさしいソリューションを開発するだけでなく、模範的な企業としての役割も果たします。2020年末までに、ボッシュの世界中の400拠点において、クライメート・ニュートラルになり、開発から製造、経営まで、カーボンフットプリントをゼロにする予定です。ドイツの拠点に関してはもうすでに実現しています」 と続けました。

ここでもAIが役割を果たしています。たとえば、各拠点において、社内エネルギープラットフォームでアルゴリズムを使用し、エネルギー消費量の逸脱を特定しています。これだけでも、過去2年間で複数の工場におけるCO2排出量の10%以上削減を達成しました。ボッシュは合計270もの工場を操業しており、潜在的な可能性は非常に大きなものがあります。「CES国際家電ショーでの当社のメッセージを要約するなら、『ボッシュは多くの点でAIについて壮大な計画を抱いています』となるでしょう」と、ボレは語りました。

【CES 2020 プレスカンファレンスについて】
日時:2020年1月6日(月)9:00 ~ 9:45 a.m. (現地時間)
登壇者:Dr. Michael Bolle(ミヒャエル・ボレ)
ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー、
チーフテクノロジーオフィサーおよびチーフデジタルオフィサー

Mike Mansuetti(マイク・マンスウェッティ)
北米法人プレジデント
場所:Mandalay Bay Hotel, LV South Convention Center, 2nd floor, Mandalay Bay Ballroom BCD

【ボッシュブースのご案内】
出展期間:2019年1月7日(火)~10日(金)
場所:Central Hall、ブース番号 #12401

Twitter (Bosch CES 2020 ハイライト): #BoschCES

【Bosch エキスパート・セッションのご案内】
日時:2020年1月8日(水)10:15 ~ 11:15 a.m. (現地時間)
登壇者:Charlie Ackerman(チャーリー・アッカーマン)
人事担当シニア・バイス・プレジデント
テーマ:「ニューカラー」職向け研修制度の拡大
場所:Las Vegas South Convention Center

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このプレスリリースは2020年1月6日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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