シュトゥットガルト(ドイツ)、ホーシャム(イギリス)– ボッシュは、将来性のある新しい発電システムに向けた燃料電池技術の開発を推進しています。イギリスのホーシャムを拠点とする燃料電池のエキスパートCeres Power社とともに、ボッシュは、次世代の固体酸化物形燃料電池(SOFC)技術を開発したいと考えています。さらに、Ceres Power社の株式の4%を取得することも計画しています。両社は2018年8月20日、さらなる技術開発とボッシュでの少量生産の開始に向けた業務提携およびライセンス契約、 ならびに株式売買契約を締結しました。

Ceres Power社は、次世代SOFC技術開発において、主導的な役割を果たしています。その戦略は、パートナーとの量産を通じて自らの技術を商品化し、グリッドベースの分散型電源に使用することです。両社はSOFCシステムを、都市、工場、データセンター、さらには電気自動車用充電ステーションへの電源供給として普及させることを目指しています。

供給保証と柔軟性の向上
「ボッシュは、排出量が非常に少ない高効率の燃料電池が、エネルギーシステムの供給保証と柔軟性の確保に重要な役割を果たすと考えています」と、エネルギー・ビルディングテクノロジー事業セクターを担当するボッシュ取締役会メンバーの シュテファン・ハルトゥングは述べています。「燃料電池技術により、代替エネルギーへの移行がさらに推し進められるでしょう。当社は、開発パートナーであるCeres Power社とともに取り組みを進めます。」

都市化が進む中で、燃料電池技術は電力供給の確保において重要な役割を担います。2050年には、世界全体で地球の人口の70%にあたる60億人以上が都市に住むと予想されています。現在でも、世界中で消費されるエネルギーの75%が、都市で消費されています。2035年には、世界のエネルギー消費は30%増加するでしょう。将来、この増大する電力需要を大規模な集中型電源だけで満たすことは不可能です。

「ボッシュとの提携は、SOFCの新たな業界標準を打ち立て、分散型電源の普及につなげることを目的としています。当社独自のCeres Steel Cell技術に、ボッシュのエンジニアリング、製造およびサプライチェーンの強みを組み合わせることで強力なパートナーシップを確立し、技術競争力のさらなる向上と、量産に向けた準備を進めることができます」と、Ceres Power社CEOのPhil Caldwell氏は述べています。

小規模発電所による都市への電力供給
SOFC技術は、燃料電池スタック内の電気化学反応を用いて、天然ガスや水素といった燃料を電気に変換します。燃焼プロセスを用いる発電所よりも排出量が大幅に少なく、環境面で大きなメリットがあります。

ボッシュはCeres Power社とともに、SOFC技術をさまざまな用途に利用できるように取り組み、小規模発電所を都市と産業地域にくまなく設置することを構想しています。このような標準化された発電所は柔軟性が高く、従来の発電所よりもピーク需要に適切に素早く対応することができます。目標は、1つのSOFCモジュールで10 kWの電力を発電することです。同じ出力のモジュールを連結するだけで、より多くの電力需要にも対応できます。

燃料電池を使用すると、かなりの電力を局所的かつ高効率に、実質的に何の排出もせずに発電することができます。このようにして、集中型の電力供給にほぼ依存しない個別の領域を生み出すことができます。さらにSOFCシステムは、再生可能エネルギーにとっても理想的なパートナーです。たとえば、断続的な再生可能エネルギーの需給バランスの調整を助け、将来的には環境にほとんど影響を与えずに「グリーンな」水素を電気に変換することができます。

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このプレスリリースは2018年8月21日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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