ドレスデン(ドイツ) – ボッシュはドレスデンの新たな半導体製造工場において、シリコンウエハが完全自動製造プロセスを初めて通過するという、未来の半導体チップ工場に至るマイルストーンを達成しました。これは、2021年後半に予定されている量産開始に向けた重要なステップでもあります。なお、この完全にデジタル化され、高度にネットワーク化された半導体製造工場では、主に自動車用マイクロチップを製造します。「未来のモビリティソリューション向け、そしてより安全な交通をつかさどるチップの製造を、まもなくドレスデンで開始します。未来のチップ工場の開所は、年内となる見込みです」と、ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーのハラルド・クローガーは述べています。ボッシュはすでに、シュトゥットガルト近郊のロイトリンゲンで半導体工場を稼働させています。ドレスデンの新しいウエハ製造工場は、ボッシュが半導体の急激な需要増に対応するとともに、ドイツをハイテク拠点にするための取り組みへの姿勢を改めて表しています。ボッシュは、世界で最も先進的なウエハ製造工場のひとつとなるこのハイテクな製造工場に、約10億ユーロを投資しています。さらに、新工場建設のためにドイツ政府、具体的にはドイツ連邦経済・エネルギー省から助成金も付与されています。なお、ウエハ製造工場の正式な開所は2021年6月を予定しています。
プロトタイプの製造がすでに進行中
ボッシュは、2021年1月からドレスデンの製造プロセスで第一弾となるウエハの製造を開始しました。ボッシュはこれをもとに、電気自動車やハイブリッド車に搭載するDC/DCコンバーターなどの用途で用いられるパワー半導体の製造を進める予定です。ウエハは、完全に自動化した約250の工程を経て6週間かけて製造しますが、ここでは寸法が1µm(マイクロメートル)の数分の1という微細な構造をウエハ上に集積させる工程も含んでいます。現在では、このマイクロチップのプロトタイプを電子部品に組み込んでテストできる段階にまで進んでいます。ボッシュは、非常に複雑な集積回路の初回量産を今年3月にスタートさせました。ウエハを半導体チップの完成品にするためには約700の処理工程が必要で、完成までに10週間以上かかります。
300mmウエハ
ボッシュの新しいドレスデン工場の中核を担う技術は、1枚のウエハのチップ収量が3万1,000に上る300mmウエハです。従来タイプの150mmウエハや200mmウエハと比べて、300mmウエハはより大きなスケールメリットをもたらし、半導体製造における競争力の向上に貢献します。さらに、ドレスデン工場の製造工程はすべて完全に自動化され、マシン間のデータもリアルタイムでやりとりされるため、チップの製造が非常に効率的に進みます。「ボッシュの新しいウエハ製造工場は、自動化、デジタル化、そしてネットワーク化における基準を打ち立てています」と、クローガーは述べています。
工場の建設は2018年6月から始まり、敷地面積は約10万平方メートル(サッカー場約14面分相当)に上ります。同工場は、欧州のシリコンバレーとも呼ばれるドイツ南東部の都市ドレスデンのシリコン・サクソニー(Silicon Saxony)に位置し、2019年後半に延べ床面積約7.2万平方メートルの建物が完成しました。その後、内装工事、クリーンルームへの製造装置の第一号機の設置と続き、2020年11月には、高度な製造技術を必要とするウエハが一通りの自動製造サイクルで初回製造されました。工事が最終段階に進めば、ドレスデン工場で最大700人のスタッフが製造を管理・監視し、機械の保守を行うことになります。
ウエハからチップへ
半導体は、IoT(モノのインターネット化)や未来のモビリティなど、ますます多くの用途に用いられるようになっています。半導体の製造プロセスは、ウエハと呼ばれるシリコンの丸いディスクから始まります。ボッシュのドレスデン工場で扱うウエハは、直径が300mm、厚さはわずか60µmで、ヒトの毛髪の太さにも満たないサイズです。需要の高い半導体チップを製造するために、未処理のウエハ(ベアダイ)が数週間をかけて処理されます。そして、完成した半導体が例えば車載の特定用途向け集積回路(ASIC)に用いられると、車両の頭脳として機能します。つまり、これらがセンサーからの情報を処理し、例えば超高速メッセージをエアバッグに送信して、即時に展開するよう指示を出すなど、さらなる動作を引き起こすことになります。シリコンチップはわずか数平方ミリメートルというサイズですが、複雑な回路が集積されており、数百万もの電子機能が実装されることもあります。
報道関係対応窓口:
Annett Fischer
電話: +49 711 811-6286
Twitter:@Annett__Fischer
このプレスリリースは2021年3月8日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください。
ボッシュ、ドレスデンの新ウエハ製造工場の開所に向けたマイルストーンを達成
ウエハ第1号が完全自動製造プロセスを通過
2021/03/08
モビリティ ソリューションズは、ボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2020年の暫定決算報告での売上高は423億ユーロで、グループ総売上高の59%を占めています。モビリティ ソリューションズの売上により、ボッシュ・グループはリーディングサプライヤーの地位を確立しています。モビリティ ソリューションズ事業は、安全でサステイナブルかつ魅力的なモビリティを目指し、パーソナライズ化、自動化、電動化、ネットワーク化の領域においてグループ全域にわたる知見を結集させ、お客様にモビリティのためのトータルソリューションを提供します。その事業領域は主に、内燃機関の燃料噴射テクノロジー/パワートレイン周辺機器、パワートレイン電動化のさまざまなソリューション、車載向け安全システム、ドライバー アシスタンス システム/自動化機能、ユーザーフレンドリーなインフォテインメントやVehicle-to-Vehicle(車車間)およびVehicle-to-Infrastructure(路車間)通信、オートモーティブ アフターマーケット向けのリペアショップコンセプト/テクノロジー/サービスなどです。さらにボッシュは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)、ディーゼル用コモンテールシステムなどの自動車の重要な革新技術を生み出してきました。
世界のボッシュ・グループ概要
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2020年の従業員数は約39万4,500人(2020年12月31日現在)、暫定決算報告での売上高は716億ユーロ(約8.7兆円*)を計上しています。現在、事業はモビリティ ソリューションズ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーの4事業セクター体制で運営しています。ボッシュはIoTテクノロジーのリーディングプロバイダーとして、スマートホーム、インダストリー4.0さらにコネクテッドモビリティに関する革新的なソリューションを提供しています。ボッシュは、サステイナブル、安全かつ魅力的なモビリティを追求しています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスに関する豊富な専門知識と「Bosch IoT cloud」を活かし、さまざまな分野にまたがるネットワークソリューションをワンストップでお客様に提供することができます。ボッシュ・グループは、AI(人工知能)を搭載する、もしくはAIが開発・製造に関わった製品を提供することで、コネクテッドライフを円滑にすることを戦略目標に掲げています。ボッシュは、革新的で人々を魅了する全製品とサービスを通じて生活の質の向上に貢献します。つまり、ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」-人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出していきます。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社440社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界126の拠点で約7.3万人の従業員が研究開発に、約3万人がソフトウェアエンジニアリングに携わっています。
*2020年の為替平均レート、1ユーロ=121.8458円で計算
さらに詳しい情報は 以下を参照してください。
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英語)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英語)
https://twitter.com/BoschPresse ボッシュ・メディア 公式ツイッター(ドイツ語)
www.bosch.co.jp ボッシュ・ジャパン 公式ウェブサイト(日本語)
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*2020年の為替平均レート、1ユーロ=121.8458円で計算
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