シュトゥットガルト(ドイツ)– コーナーでのブレーキングや加速は二輪車走行時の安全性にとって極めて重要となる中、ボッシュのモーターサイクル用スタビリティコントロール(MSC)は、さまざまな状況でライダーが二輪車のコントロールを維持できるようサポートします。MSCは、モーターサイクル用ABSと、3軸または6軸IMUを組み合わせた技術で、いわゆる二輪車用横滑り防止装置ESCの一種です。現在MSCは、中型・大型車両セグメントだけでなく、あらゆる二輪車セグメントへの導入の動きがみられます。そこで世界有数の二輪車・三輪車メーカーであるインドのTVS Motor Companyは、ボッシュの慣性計測センサーユニット(IMU)と新興成長市場の二輪車に適した小型軽量のABS 10 base ユニットから成るボッシュのMSCを、新型TVS Apache RTR 310に搭載しました。これにより、MSCはより幅広い市場セグメントに搭載され、すべての人にとって二輪車のライディングがより安全なものになる目標に近づきました。
ボッシュのMSCが新たな二輪車セグメントへ導入
「ボッシュは二輪車のアシスタンス技術における先駆的な企業のひとつです。私たちは25年以上前にモーターサイクル用ABSを導入し、交通安全の向上に貢献しました。続いて、10年前にはMSCを導入しました。そして現在は、二輪車にもレーダーベースのアシスタンスシステムが搭載されています。今回、新興成長市場で一般的な小型モデルにも対応し、より幅広い層の二輪車ライダーが利用できる新たなMSCシステムを開発し、世界最大の二輪車メーカーのひとつであるTVS Motor Companyの新しいフラッグシップモデルの安全性を強化する機会を得ました」とボッシュのモーターサイクル&パワースポーツ事業部長のジェフ・リアッシュは述べています。
TVS Motor Company のプレミアム事業部長であるVimal Sumbly氏は、次のように述べています。「TVS Motor CompanyはTVS Apacheシリーズを筆頭に、常にテクノロジーを変革、再定義してきました。TVS Apacheは最も愛されている、そして最もアイコニックな二輪車ブランドのひとつで、世界中に500万人を超える利用者がいらっしゃいます。40年におよぶTVS Racingの伝統に裏打ちされ、すべてのTVS Apacheは私たちの『トラックからロードへ(Track to Road)』の理念を具現化するものであり、レースマシンから得た知識やテクノロジーが量産二輪車に受け継がれています。レースマシンに基づくパフォーマンスに重点を置く私たちにとって、レースに触発されたアシスタンス技術の限界に挑むことは非常に重要です。セグメント初のテクノロジーを導入するという長年の伝統を引き継いで、新しいフラッグシップモデルであるTVS Apache RTR 310のレース チューンド ダイナミック スタビリティ コントロール(RTDSC)としてボッシュのMSCを導入できることを誇りに思います。6軸IMUを用いたモーターサイクル用スタビリティコントロールが400cc以下の二輪車に導入されるのは世界初となります。私たちは、ライダーの皆さまに自信、快適性、ワクワク感を感じていただくことで、比類のないライディング経験をお届けすることを目指しています。」
KTM社によるボッシュシステムの導入: 10年間で安全性を向上
ボッシュは10年前にKTM 1190 ADVENTURE(2014年モデル)にMSCを初めて導入しました。傾斜角などの二輪車パラメーターをモニターすることで、システムは現在の走行状況に合わせて電子制御によるブレーキ・加速介入を瞬時に調整することができます。このようにして、ボッシュのシステムは二輪車事故が多発するコーナーでのブレーキング時に、二輪車がローサイドしたり、突然起き上がったりするのを防ぐことができます。同時に、MSCはより高い安全性、利便性、ライディングの楽しみを提供するさまざまな付加価値機能を車両にもたらす中心的な基盤としての役割も果たします。たとえば、ボッシュの3軸IMUを搭載した二輪車は、MSCの付加価値機能として提供可能な先進セーフティ機能を車両にもたらします。
ボッシュは二輪車メーカーが個別ニーズに応じてさまざまなABSとIMUの組み合わせを選択することができる、モジュラー型のMSCソリューションをご用意しています。最近アップグレードされたKTM RC 390には、ボッシュの3軸慣性計測センサーユニット(IMU)が採用されており、コーナーでのブレーキ制御やトラクションコントロールといった、MSCによる付加価値機能が新たに利用可能となりました。このKTMの車両モデルにはプレッシャーセンサーを装備した、より高性能なABSユニットが用いられ、ブレーキ圧をより正確に制御することができます。もう一つの例として、ABS 10 baseと3軸IMUの組み合わせにより、コーナリング ブレーキ コントロール、コーナリング トラクション コントロール、コーナリング ドラッグ トルク コントロールといった、MSCによる付加価値機能の中でもベーシックな安全機能に特化した新興成長市場向けのソリューションを提供できます。二輪車メーカーは、ボッシュが提供する幅広いMSCのポートフォリオの中から、それぞれの車両タイプやユースケースに合わせて最適な組み合わせを柔軟に選ぶことが可能です。
ボッシュのモーターサイクル用スタビリティ コントロール – 機能の詳細
MSCはリーンするときやコーナーを曲がるときなど、二輪車ライダーにとって重要な場面で活躍します。ボッシュの事故調査によると、すべての二輪車にMSCが装備されていれば、ABS機能と併せて、ドイツ国内の二輪車による人身事故の3件に1件を防止または軽減できた可能性があります。MSCは一連のセンサーにより二輪車のダイナミクスを検知します。車輪速センサーが前輪と後輪の速度を計測する一方で、IMUが二輪車の加速度と角速度を1秒あたり100回測定します。MSCはコーナリング時など、車体の体勢がダイナミックに変化する状況でも、二輪車のピッチ角とロール角を分析することで、車体安定性と効果的なブレーキングを両立する最適なブレーキ制御を行います。
センサー技術による安全性と快適性の向上
二輪車のセーフティ技術における世界的なリーディングサプライヤーとして、ボッシュはすでにアドバンスト ライダーアシスタンス システム(ARAS)を発売しています。ボッシュの事故調査によると、このテクノロジーはドイツ国内の二輪車事故の7件に1件を防ぐことができたとされています。ARASは、レーダーセンサー、ブレーキシステム、エンジン制御、ヒューマンマシン インタフェースを組み合わせた技術であり、いわゆる感覚器官としての機能を果たすレーダーを二輪車に搭載することで、こうした新たな安全運転支援技術が二輪車でも利用可能になります。ARAS機能には、アダプティブ クルーズ コントロール(ACC)、衝突予知警報、死角検知があります。これらの機能は安全性だけでなく、ライディングの楽しみと快適性も高めます。
ボッシュはまた、ネットワーク化技術を通じて二輪車ライダーの安全性向上に貢献しています。たとえば、ボッシュのインテグレーテッド コネクティビティ クラスター(ICC)は、ライダーが不必要に気を取られないようにするディスプレイソリューションです。
ボッシュ記者会見:
【日時】2023年11月7日(火)14:30 - 14:45 (中央ヨーロッパ標準時)
【場所】ボッシュブース:ホール18 / B54
【登壇者】ボッシュ モーターサイクル&パワースポーツ事業部長 ジェフ・リアッシュ
※ボッシュ メディアサービスにてライブ配信予定
報道関係対応窓口:
Jennifer Kallweit
電話: +49 711 811-42239
Twitter:@BoschPresse
このプレスリリースは2023年10月30日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください。
あらゆるセグメントに安全性を:ボッシュのモーターサイクル用スタビリティコントロール(MSC)が400cc以下のモデルで利用可能に
ボッシュのMSCが新型TVS Apache RTR 310に搭載
2023/10/30
モビリティは、ボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2022年の売上高は526億ユーロで、グループ総売上高の60%を占めています。モビリティの売上により、ボッシュ・グループはリーディングサプライヤーの地位を確立しています。モビリティ事業セクターは、安全でサステイナブルかつ魅力的なモビリティを目指し、お客様にモビリティのためのトータルソリューションを提供します。その事業領域は主に、内燃機関の燃料噴射テクノロジー/パワートレイン周辺機器、パワートレイン電動化のさまざまなソリューション、車載向け安全システム、ドライバー アシスタンス システム/自動化機能、ユーザーフレンドリーなインフォテインメントやVehicle-to-Vehicle(車車間)およびVehicle-to-Infrastructure(路車間)通信、オートモーティブ アフターマーケット向けのリペアショップコンセプト/テクノロジー/サービスなどです。さらにボッシュは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)、ディーゼル用コモンテールシステムなどの自動車の重要な革新技術を生み出してきました。
世界のボッシュ・グループ概要
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2022年の従業員数は約42.1万人(2022年12月31日現在)、売上高は882億ユーロ(約12.2兆円*)を計上しています。現在、事業はモビリティ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーの4事業セクター体制で運営しています。ボッシュはIoTテクノロジーのリーディングプロバイダーとして、スマートホーム、インダストリー4.0さらにコネクテッドモビリティに関する革新的なソリューションを提供しています。ボッシュは、サステイナブル、安全かつ魅力的なモビリティを追求しています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスに関する豊富な専門知識と「Bosch IoT cloud」を活かし、さまざまな分野にまたがるネットワークソリューションをワンストップでお客様に提供することができます。ボッシュ・グループは、AI(人工知能)を搭載する、もしくはAIが開発・製造に関わった製品を提供することで、コネクテッドライフを円滑にすることを戦略目標に掲げています。ボッシュは、革新的で人々を魅了する全製品とサービスを通じて生活の質の向上に貢献します。つまり、ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」-人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出していきます。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社470社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュは2020年第一四半期に、世界400超の拠点でカーボンニュートラルを達成しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界136の拠点で約8万5,500人の従業員が研究開発に、そのうち約4.4万人がソフトウェアエンジニアリングに携わっています。
*2022年の為替平均レート、1ユーロ=137.9900円で計算
さらに詳しい情報は 以下を参照してください。
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英語)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英語)
https://twitter.com/BoschPresse ボッシュ・メディア 公式ツイッター(ドイツ語)
www.bosch.co.jp ボッシュ・ジャパン 公式ウェブサイト(日本語)
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世界のボッシュ・グループ概要
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2022年の従業員数は約42.1万人(2022年12月31日現在)、売上高は882億ユーロ(約12.2兆円*)を計上しています。現在、事業はモビリティ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーの4事業セクター体制で運営しています。ボッシュはIoTテクノロジーのリーディングプロバイダーとして、スマートホーム、インダストリー4.0さらにコネクテッドモビリティに関する革新的なソリューションを提供しています。ボッシュは、サステイナブル、安全かつ魅力的なモビリティを追求しています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスに関する豊富な専門知識と「Bosch IoT cloud」を活かし、さまざまな分野にまたがるネットワークソリューションをワンストップでお客様に提供することができます。ボッシュ・グループは、AI(人工知能)を搭載する、もしくはAIが開発・製造に関わった製品を提供することで、コネクテッドライフを円滑にすることを戦略目標に掲げています。ボッシュは、革新的で人々を魅了する全製品とサービスを通じて生活の質の向上に貢献します。つまり、ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」-人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出していきます。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社470社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュは2020年第一四半期に、世界400超の拠点でカーボンニュートラルを達成しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界136の拠点で約8万5,500人の従業員が研究開発に、そのうち約4.4万人がソフトウェアエンジニアリングに携わっています。
*2022年の為替平均レート、1ユーロ=137.9900円で計算
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