ネバダ州ラスベガス/マサチューセッツ州ウォータータウン(米国)– 凍えるような温度のアラスカから、太陽が降り注ぐフロリダのビーチまで、米国にはほぼすべての気候帯があります。こうした気候の多様性は、あらゆる天候条件でも性能を発揮するシステムを開発する空調機メーカーを悩ませます。米国は、再生可能エネルギー分野1を着実に拡大し、燃料燃焼による暖房の効率的な代替手段であり、冷房も提供できる、寒冷地用ヒートポンプテクノロジー2の導入を加速させることを目指しています。

ロバート・ボッシュGmbH取締役会 副会長であり、エネルギー・ビルディングテクノロジーおよび消費財の事業セクター責任者も務めるクリスティアン・フィッシャーは、次のように述べています。「テクノロジーの進歩により、アメリカではヒートポンプを効率的な冷暖房に利用するための障壁が大幅に低減されました。アメリカでは住宅を電化する条件は整っており、すでに全米で1,770万台以上のヒートポンプが設置され、冷暖房に使用されています」。住宅用空調機市場は新しい時代を迎えており、ボッシュ独自の市場調査によれば、米国ではまだエアコンの方が多く販売されています。しかしヒートポンプ市場の規模は、金額ベースで見ると2022年にはすでにエアコンよりも大きく、2028年には2倍に拡大すると見込まれています。2020年には、米国の新築住宅のほぼ半数(45%)が暖房に電気を使用し、2000年(27%)に比べて約67%増加しました3。今日、住宅で使用されるエネルギーの半分以上が冷暖房に使われています4。米国では、住宅において多くのCO2が排出されています。個人のカーボンフットプリントを削減するため5、電気エネルギーに移行するアメリカ人が増えています。

ボッシュはCES 2024において、米国の北部地域など、より寒冷な気候帯で稼働するように設計された寒冷地用ヒートポンプシステムIDS Ultraを展示します。電気で動くヒートポンプは、住宅所有者のカーボンフットプリント削減に役立ちます。「米国とカナダで住宅の脱炭素化を図るには、化石燃料への依存を減らし、限りある資源を保護することがカギとなります」とクリスティアン・フィッシャーは言います。「私たちの目標は、より環境にやさしいライフスタイルを推進することであり、地球温暖化対策に貢献できる最先端のテクノロジーをCES 2024で紹介できることを誇りに思います」と彼は付け加えます。「ボッシュは、エネルギー効率の高い住宅用冷暖房を米国のほぼすべての気候帯で利用できるようにし、クリーンなエネルギーの未来に向けた有望な手段を提供します」

ボッシュの調査:住宅所有者はコストと効率性を重視
ボッシュがカナダと米国で実施した調査6では、ヒートポンプに対する認識はほぼ共通であることが明らかになりました。住宅所有者の99%が、冷暖房用ヒートポンプについて少なくとも耳にしたことがありました。しかし、さらなる普及の課題は寒冷地にあります。全回答者の5分の1以上が現在ヒートポンプを所有していますが、ヒートポンプの所有には地理的に非常に偏りがあります。ヒートポンプの所有率が最も高いのは、南東部の冬の寒さが厳しくないことで知られる地域に集中しています。さらにニューイングランドや北中西部のようなより寒い地域では、所有率が6分の1から7分の1程度に下がる結果となりました。ヒートポンプに投資する数少ない住宅所有者は、通常、バックアップシステムを稼働し続ける必要があります。これは多くの場合、化石燃料を動力源とし、冬の寒い日に気温が下がったときに暖房を引き継ぐためのものです。これらの地域では、従来のヒートポンプではエネルギーコストが高くなることや、周囲温度が低い場合には暖房能力が不十分なため、一般家庭はヒートポンプを敬遠する傾向にあります。ヒートポンプへの切り替えには、エネルギーとコストの削減というメリットがあります。これは、ボッシュの調査の回答者の3分の2近くが、自宅の冷暖房に関する主な関心事としてコストと効率を挙げていることを考えれば、明るいニュースです。

ボッシュの新型ポンプは、ほぼすべての冷暖房需要に対応
ボッシュの最新ヒートポンプテクノロジーは、エネルギー効率の高い暖房の範囲を冬の寒さが極めて厳しい地域にまで拡大します。「ボッシュの新型IDS Ultraは、寒冷地における高効率暖房に特化して設計されたボッシュ初のAir to Air 空気熱源ヒートポンプです。このヒートポンプは、外気温が5°F(-15℃)になるまで100%の暖房能力を発揮し、-13°F(-25℃)まで稼働し続けます。寒冷地用テクノロジーの進歩のおかげで、私たちのヒートポンプは氷点下の温度でも暖房を供給できます」と、北米のボッシュ・ホームコンフォート・グループの社長兼CEOであるAlexander Wuthnowは述べています。米国エネルギー省(DOE)は、消費者がCO2排出量の少ない、よりクリーンなエネルギーの未来に転換できるよう技術促進を図るために、住宅向けの寒冷地用ヒートポンプ技術チャレンジを実施しており、ボッシュの寒冷地用ヒートポンプが、研究室での実験から実地試験に進むための要件を満たしていることを確認しました。

消費者教育が寒冷地用ヒートポンプ普及のカギ
ヒートポンプ技術は進化を遂げ、低温下でも確実に暖房性能を発揮できるようになりました。次のステップは、エネルギー効率の高い住宅用暖房におけるこうした進歩を消費者にも認識してもらうことです。ボッシュの調査によると、ヒートポンプ技術の可能性や、連邦政府による税額控除、州による補助金制度の利用など、消費者をヒートポンプへ移行する支援について理解してもらう重要な機会があります。ボッシュの調査では、回答者の半数以上が請負業者や技術者を主な情報源としていると回答しており、消費者へのアドバイスに関しては、専門家が重要な役割を果たすと見込まれています。


1. https://www.energy.gov/clean-energy
2. 米国エネルギー省(DOE)https://www.energy.gov/eere/buildings/articles/residential-cold-climate-heat-pump-technology-challenge-fact-sheet
3. 米国 国勢調査局(2020年):https://elements.visualcapitalist.com/charted-home-heating-systems-in-the-u-s/
4. https://www.eia.gov/energyexplained/use-of-energy/homes.php
5. これは、再生可能エネルギーが利用されることを前提としています。
6. ボッシュは米国とカナダの住宅所有者1,526人を対象に、地理的に層別化した調査を実施しました[2023年11月現在]。



【CES 2024 プレスカンファレンスについて】
日時: 2024年1月8日(月)9:00~9:45 a.m.(太平洋標準時)
場所: Ballroom Banyan ABCD、Mandalay Bay Hotel、Las Vegas South Convention Center、Level 3
配信: ボッシュ メディア サービスでライブ配信

【ボッシュブースのご案内】
出展期間: 2024年1月9日(火)~12日(金)
出展場所: Central Hall、ブース#17207

【ボッシュのエキスパートを交えたパネルディスカッション】
テーマ: 「自分のスペースの向上:スマート家電で住まいを強化」
日時: 2024年1月11日(木)15:00 p.m.(太平洋標準時)
場所: Venetian Hotel、Lando 4302、Goncalo Costa
登壇者: Goncalo Costa(北米クライメートおよびウェルビーイング担当バイスプレジデント)

テーマ: 「最新のサイバー脅威でもあり、最大の防御でもあるAI」
日時: 2024年1月11日(木)14:00 p.m.(太平洋標準時)
場所: Las Vegas Convention Center West / N258
登壇者: Zico Kolter(ボッシュのAIチーフ サイエンティスト)

テーマ: 「ケアの未来:他の産業はどのように健康をつくるのか」
日時: 2024年1月11日(木)11:00 a.m.(太平洋標準時)
場所: Las Vegas Convention Center / North Wing
登壇者: Stefan Finkbeiner(ボッシュ センサーテックのゼネラルマネージャー)

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このプレスリリースは2024年01月08日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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