シュトゥットガルト(ドイツ)– ボッシュの開発チームは、ボッシュの新しい油圧式ブレーキバイワイヤシステムの走行試験を公道で初めて実施し、成功裏に終わりました。走行試験では、北極圏までさまざまな気候帯を通過し、3,300kmを超える距離を6日で走破しました。このブレーキバイワイヤシステムは、ブレーキペダルとブレーキシステム間の機械的な接続が不要です。ドライバーからのブレーキ要求は、冗長性のある電気信号線を介して純粋に電気信号としてブレーキバイワイヤシステムに伝達されます。この根本的に新しいアプローチに対し、ボッシュはブレーキバイワイヤアクチュエータと横滑り防止装置ESCという2つの独立した油圧ブレーキアクチュエータで、堅牢で効率的なソリューションを実現しています。ボッシュのインテグレーテッドパワーブレーキのような既存のブレーキシステムでは、ブレーキペダルに機械的に接続することで、故障発生時に必要な冗長性を確保しています。しかしボッシュの新しいブレーキバイワイヤソリューションでは、インプットロッドを介したブレーキペダルとの接続が不要になっています。
ボッシュはブレーキやステアリングシステムを提供するリーディングカンパニーとして、2025年秋から市場投入予定の油圧式ブレーキバイワイヤシステムをはじめ、電気式および機械式両方の車両領域に向けて、革新的なバイワイヤソリューションに取り組んでいます。ボッシュはこの油圧ソリューションのほか、純粋な電気機械システムの開発も進めています。ボッシュはすでにさまざまな自動車メーカーから、ブレーキバイワイヤシステムの受注を獲得しています。また、世界の市場において2030年までにブレーキバイワイヤシステムが550万台の車両に搭載されると予測しています。
ボッシュのブレーキバイワイヤシステムの利点
機械的な接続が不要のため、ブレーキシステムのコンポーネントを車両のファイアウォールに取り付ける必要がなくなり、搭載時の自由度が向上します。代わりに、衝突安全性、NVH(騒音、振動、ハーシュネス)、製造の各面に配慮した最適な場所にコンポーネントを取り付けることが可能になります。また、ブレーキアクチュエータの取付け位置を柔軟に設定できるため、右ハンドル車と左ハンドル車それぞれに対応した仕様を用意する必要がなくなります。このバイワイヤ技術により、ブレーキペダルのストロークを大幅に短縮した新しいペダルコンセプトを採用できるようになり、新しいインテリアデザインに対応したスペースも生み出せます。ボッシュの油圧式ブレーキバイワイヤソリューションは、実績のあるブレーキシステム技術に基づき、ブレーキバイワイヤアクチュエータと横滑り防止装置 ESCを組み合わせたものです。スリムなデザインにより、取り付けスペースが縮小、ブレーキシステムの重量が軽減されます。さらに、ブレーキバイワイヤアクチュエータと横滑り防止装置ESCはいずれも冗長性を備えた電源に割り当てられているため、故障が発生した場合でもそれぞれ単独で4つの車輪ブレーキすべてに必要なブレーキ圧を生成できます。このボッシュのソリューションは安全上の理由から要求されるブレーキシステムの保護要件を満たしており、高度な自動運転車両にも適しています。
長距離走行試験に成功、今後のさらなる開発に向けた貴重なデータを提供
ブレーキバイワイヤシステムの開発は、ドイツのハイルブロン近郊のアブシュタットにあるボッシュの研究開発センターで進められています。開発チームはこのアブシュタットからハンブルグ、コペンハーゲン、ストックホルムを経由し、北極圏まで回り道をして、スウェーデン北部のアリエプローグにあるボッシュのVaitoudden冬季テストセンターまでの長距離走行を成し遂げました。ボッシュは多岐にわたる安全性コンセプトに基づき、数カ国でテスト車両の公道での使用を申請し、許可を得ています。アブシュタットでブレーキバイワイヤアクチュエータのプロジェクトマネージャーを務めるHagen Kuckertは、「チームが一丸となってこのプロジェクトに熱心に取り組んできました。この成果を誇りに思います。私たちが開発した油圧式ブレーキバイワイヤシステムは、この長距離走行でも完璧に機能しました。初めての長距離走行試験で、私たちは実際のブレーキバイワイヤシステムを、テストコースから公道まで安全かつスムーズに使用できることを見事に証明しました。私たちは走行中に数千回におよぶブレーキ操作を行うことで、さまざまな交通状況におけるブレーキシステムの挙動に関する貴重な知見とデータを取得し、今までのシミュレーションと比較することができました。これらのことすべてが、油圧式ブレーキバイワイヤシステムのさらなる最適化に向けた今後の開発に反映されます」と述べました。
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E-mail: andreas.haupt@de.bosch.com
このプレスリリースは2025年01月28日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください。
ボッシュのブレーキバイワイヤシステム搭載車が北極圏まで走行
新型ブレーキシステムの長距離走行試験に成功
2025/01/28
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モビリティは、ボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2023年の売上高は562億ユーロで、グループ総売上高の約60%を占めています。モビリティの売上により、ボッシュ・グループはリーディングサプライヤーの地位を確立しています。モビリティ事業セクターは、安全でサステイナブルかつ魅力的なモビリティを目指し、お客様にモビリティのためのトータルソリューションを提供します。その事業領域は主に、電動化、ソフトウェアとサービス、半導体とセンサー、車両コンピューター、先進運転支援システム、ビークルダイナミクスコントロールシステム、オートモーティブ アフターマーケット向けのリペアショップコンセプト/テクノロジー/サービスなどです。さらにボッシュは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)、ディーゼル用コモンテールシステムなどの自動車の重要な革新技術を生み出してきました。
世界のボッシュ・グループ概要
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2023年の従業員数は約42.9万人(2023年12月31日現在)、売上高は916億ユーロ(約13.9兆円*)を計上しています。事業はモビリティ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーの 4 事業セクター体制で運営しています。ボッシュは事業を通じて、自動化、電動化、デジタライゼーション、ネットワーク化、持続可能性の取り組みといった普遍的なトレンド形成に、自社のテクノロジーを活用することを目指しています。こうした観点から、ボッシュは地域や業界の壁を超えた幅広い事業展開により、革新性と堅牢性を高めています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスにおける実績ある専門知識を活かし、さまざまな分野にまたがるソリューションをワンストップでお客様に提供しています。また、ネットワーク化とAIに関する専門知識を応用して、ユーザーフレンドリーで持続可能な製品を開発・製造しています。ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」なテクノロジーによって、人々の生活の質の向上と天然資源の保護に貢献したいと考えています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社470社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界136の拠点で約9万人の従業員が研究開発に、そのうち約4.8万人がソフトウェアエンジニアリングに携わっています。
*2023年の為替平均レート、1ユーロ=151.9026円で計算
さらに詳しい情報は 以下を参照してください。
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英語)
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ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2023年の従業員数は約42.9万人(2023年12月31日現在)、売上高は916億ユーロ(約13.9兆円*)を計上しています。事業はモビリティ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーの 4 事業セクター体制で運営しています。ボッシュは事業を通じて、自動化、電動化、デジタライゼーション、ネットワーク化、持続可能性の取り組みといった普遍的なトレンド形成に、自社のテクノロジーを活用することを目指しています。こうした観点から、ボッシュは地域や業界の壁を超えた幅広い事業展開により、革新性と堅牢性を高めています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスにおける実績ある専門知識を活かし、さまざまな分野にまたがるソリューションをワンストップでお客様に提供しています。また、ネットワーク化とAIに関する専門知識を応用して、ユーザーフレンドリーで持続可能な製品を開発・製造しています。ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」なテクノロジーによって、人々の生活の質の向上と天然資源の保護に貢献したいと考えています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社470社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界136の拠点で約9万人の従業員が研究開発に、そのうち約4.8万人がソフトウェアエンジニアリングに携わっています。
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