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金属に“表情”を付ける金属に“表情”を付ける

金属に“表情”を付ける

ジュエリーブランド「YURI MIYATA」
宮田有理さん

先端に付ける多種多様な“アクセサリー(※)”を付け替えて使用することで、木材、ガラス、金属、革など、様々な素材に色んな加工ができるマルチな工具「ドレメル フィーノ」。使い方次第で創作の幅が広がる工具として、一般の方からクリエイターまで多くの方に愛されています。でも、一言で色々使えると言っても「どう使えば良いのだろう?」と迷ってしまう方もいますよね。

※この記事では、「アクセサリー」をドレメル フィーノの先端に付ける部品の意で使用します。

そこで、実際にドレメル フィーノを愛用しているクリエイターの方に活用方法をお伺いしてみることに。今回お話を伺ったのは、ジュエリーブランド「YURI MIYATA」デザイナーの宮田有理さんです。

宮田有理さんは、登山中に見つけた自然のかたちをモチーフにしたジュエリーを制作しているクリエイター。真鍮やシルバーなどの金属と、山の中にあるかたちの組み合わせによって、個性的な作品を作り出しています。

様々なシーンでドレメル フィーノを活用しているという宮田有理さん。フィーノの先端に付けるアクセサリーを上手に替えながら、制作をしているそう。

今回は、そんな宮田さんにフィーノを活用して制作した作品を紹介していただきました。それが、こちら。

樹木の葉が揺れる、
真鍮のモビール。

お部屋の中の空間に飾ることで、雰囲気を一気に変えてくれる真鍮のモビールです。モチーフになっているのは、もちろん宮田さんが制作のテーマとしている山で見つけた自然のかたち。吊るしている部分にも真鍮の丸線を使い、同素材のモチーフと線の組み合わせがシックな印象。風に揺れるたびに表情が変わる様子が楽しい作品です。この作品は宮田さん自身、初めて作ったものだそうですが、どのように生まれたのでしょうか?

宮田有理さん:「何を作ろうか考えた時に、木材を始め色々な素材を試してみたんです。その時に、金属を試してみたらすごく良い表情を出すことができまして。フィーノで加工した部分と、金属そのままの部分の表情の差がすごく面白いなと思い、それを活かして、以前から作ってみたかったモビールに挑戦しました。」

葉っぱのモチーフは真ん中に折り目を付けて、面に葉脈のテクスチャーをフィーノで施すことでニュアンスが生まれ、繊細な表情を見せています。

こちらは、桂(カツラ)の葉がモチーフだそう。同じ形の葉ですが、吊るし方を斜めにしたり、垂直にしたりと、テグスを通す穴の位置が異なるのもポイント。実際に桂の葉を見上げた時に、様々な向きに混じり合う木の葉の様子から着想を得たという宮田さん。自然から着想を得ることで、有機的な美しさが表現されています。

この葉っぱは、半分だけ線状のテクスチャーが施されており、光が反射された時に見える質感の違いが楽しめる作品です。このような様々なニュアンスはどのように考えられたのでしょうか?

宮田有理さん:「ドレメル フィーノの先端に付けるアクセサリーは多種多様に用意されているので、それを変えることで加工した時の見え方も変わってきます。太めのもの(ハイスピードカッター #191)が比較的安定して使いやすかったので、今回の作品ではよく使いました。
細めのものも、素材に合わせて回転速度を調整しながら作業すれば、狙った表情がだせると思います。取り付けも簡単なので、初心者の方も気軽に使える道具だと思いました。」

様々な先端アクセサリーを交換して使えるフィーノだから、描きたい線に合わせて最適なものをチョイスすることで、表現の幅が広がります。さらに、無段階で回転速度が設定でき、本体に付いている変速ダイヤルを回すだけで可能。作業にぴったりな速さに調整することができるのです。

それぞれの葉っぱを観察しながら生まれた、絶妙なニュアンス。

宮田さんが様々なニュアンスの線を描けた理由は、アクセサリーの種類だけではなく、回転速度によって出てくる線の違いにもあったようです。

宮田有理さん:「先端に付けるアクセサリーが同じでも、回転速度によって線の表情が変わるんです。早い速度で綺麗な線を引くだけではなくて、遅めにするとザッ、ザッ、ザッと、線が飛ぶような表現ができて、それが思ってもいない新しい発見につながりました。また、速度を変えるときも、変化がスムーズなんですよね。それがいいなと思います。」

確かに、全てが均一な線でないからこそ金属の表面に絶妙なニュアンスが生まれ、オリジナルな作品に仕上がっています。

宮田有理さん:「葉っぱの形が色々あるので、それぞれの形に合わせてどんなニュアンスが良いかを観察しながら手を動かしていくのが楽しかったです。」

作りながらも新たな発見があり、楽しく制作できたという宮田さん。1日かけてたくさんの葉っぱを加工したそうですが、フィーノは軽くてペンのように持つことができるので、疲れることなく作業できたそう。扱いやすく操作も簡単なので、慣れてしまえばいっきに集中できたのだとか。毎日たくさんの作品を生み出すクリエイターの方にとって、ストレスなく作業できることは何より大切なことかもしれませんね。

とても素敵な作品を見せてくださった宮田さん。最後に、今後ドレメル フィーノで作ってみたいものもお伺いしてみました。

宮田有理さん:「本当に使い方次第なので、想像が膨らみます。今回は、絵を描くというよりテクスチャーを付ける様な使い方で金属に加工したので、それをまた別の素材でやってみたら面白いかなと思います。また、鉛筆みたいに細い線もしっかり描くことができる魅力的な道具なので、そういった表情を活かした作品も作ってみたいですね。」

クリエイターの想像力を刺激する、ドレメル フィーノ。これからも、たくさんの素晴らしい作品が生まれていくのではないでしょうか。もちろんクリエイターの方だけでなく、誰でも気軽に使えるので、今日のお話を参考にフィーノを使った創作に、あなたもチャレンジしてみてくださいね。

お話を伺った方
宮田有理ジュエリーデザイナー

愛知県の洋食器会社のデザイナーを経て独立。ジュエリーブランド「YURI MIYATA」主宰。山の自然をテーマにした作品を展開している。

WEB:http://yurimiyata.net/
Instagram:@yuri_miyata

紹介した作品
「真鍮のモビール」

【使用素材】真鍮
【使用アクセサリー】ハイスピードカッター #191

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