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金属に“表情”を付ける金属に“表情”を付ける

ガラスの魅力を引き出す

ガラス作家:青池茉由子さん

先端に付ける多種多様な“アクセサリー(※)”を付け替えて使用することで、木材、ガラス、金属、革など、様々な素材に色んな加工ができるマルチな工具「ドレメル フィーノ」。使い方次第で創作の幅が広がる工具として、一般の方からクリエイターまで多くの方に愛されています。でも、一言で色々使えると言っても「どう使えば良いのだろう?」と迷ってしまう方もいますよね。

※この記事では、「アクセサリー」をドレメル フィーノの先端に付ける部品の意で使用します。

そこで、実際にドレメル フィーノを愛用しているクリエイターの方に活用方法をお伺いしてみることに。今回お話を伺ったのは、ガラス作家の青池茉由子さんです。

ガラス素材を使った作品制作を中心に、様々なデザインやアートワークを行っている青池茉由子さん。デザインアトリエ「BLUEPOND」として、アクセサリーや食器など、ガラスが持つ透明感や美しい質感を活かした作品を日々制作されています。

普段の制作でドレメル フィーノを活用しているという青池さん。どのように使っているのでしょうか?

青池茉由子さん:「窯で焼成して作った透明のガラスの表面を、フィーノで細かに削って、磨りガラス状にするのに使用することが多いですね。例えば箸置きだと、磨りガラスにすることで箸が動きにくくなるので、滑り止めにも良いんです。あと、ガラスを焼く前に、カットした角をフィーノで削っておきます。そのまま焼くとバリが出てしまうのですが、削っておいてから焼くと丸みがきれいに出やすくて。すごくわずかな差なのですが。」

出来上がりのものに加工するだけでなく、焼く前のガラスに加工を施し、焼き上がりに変化を付けるとは驚きの使い方です。

今回は、そんな青池さんにフィーノを活用して制作した作品を紹介していただきました。それが、こちら

様々な模様が楽しい、
ガラスのカトラリーレスト。

透明なガラスに、様々な模様が施された7種類のカトラリーレスト。板ガラスを3枚重ね、角が少し残るくらいの温度で焼き上げた透明のガラスに、それぞれ異なる先端アクセサリーを使い、フィーノで柄を付けた作品だそう。青池さんが描く、のびのびとした線や模様がガラスの質感とマッチしていて、食事の時間が楽しくなりそうなアイテムです。

青池茉由子さん:「ガラスは厚みがあると、底の向こう側の模様が歪んで見えたり、消えたりしますし、光の入り具合で反射したりして面白いので、底側に色々模様を付けてみたいなと思って作りました。」

ドレメル フィーノは、付属の標準セット以外のアクセサリーを用途に合わせて購入し、使い分けることが出来ます。作品制作から家庭のサビ取り、時計磨きなど趣味のメンテナンスまで様々な場面で活用できるので、家族で共有して使用するのもおすすめですが、青池さんが良く使っているのは、ダイヤモンドホイールポイント。ガラスの加工に最適な先端アクセサリーです。

アクセサリーによって生まれる、異なる線たちを楽しみながら制作したという青池さん。こちらは、(ダイヤモンドホイールポイント#7144N1)のアクセサリーを使用し、フィーノをペンのように使って細くて短い線を並べるように描いた作品です。このように真上から見ると模様がくっきり見えますが、真横から見ると全く見えないのだそう。

こちらは、丸い模様が並んでいますが、立体的で空気が入っているようにも見えます。透明なガラスという素材だからこそ生まれる不思議な見え方も楽しめる素敵な柄は、どのようにして生まれたのでしょうか?

青池茉由子さん:「それぞれのアクセサリーがどんな動きやニュアンスが出るのかなと、実験みたいな感じで進めていきましたね。この丸い模様を付けたものは、先端が大きな玉型のアクセサリー(ダイヤモンドホイールポイント#7105N1)を使って作りました。先端をガラスの表面に押し当てるようにすることで、半球型が作れるんです。その半球型を、ガラスを通してみると立体的に見えます。今までやった事のない表現ができたので、面白かったです。」

こちらもまた、先ほどとは全く表情が違う柄の作品。アクセサリーをガラスに当てる時の角度によっても、現れる線が変化するようです。

青池茉由子さん:「この縦縞は、最初に削りたい範囲の端と端へ軽く当たりをつけて、その間を削っていくことで仕上げました。これに使用したアクセサリー(ダイヤモンドホイールポイント#7134N1)は面を削ることが出来るので、すごく早く削ることができます。ガラスの表面にぐっとはまるような感覚も、気持ちよく作業できました。」

使いやすい設計で、
回転速度の調整も楽々。

このように、ペン先を寝かせて削ることで、幅広いラインを素早く削ることができるのですね。アクセサリーの使い方で、創作の幅が広がりそうです。

普段、青池さんは絵柄のない透明な作品を中心に制作されていますが、今回模様を作るにあたって工夫した点はあったのでしょうか?

青池茉由子さん:「加工をする時に、力を入れすぎても、逆に力が足りなくてもうまく書けないので、ちょうど良い力のかけ方やリズムを掴むことを意識しました。先端アクセサリーの形ごとに得意な動きが違うので、それぞれのアクセサリーと仲良くなるつもりで制作しました。」

アクセサリーと仲良くなること。それが、青池さん流のフィーノを使いこなすコツなのですね。見ているだけで楽しげな作品からも、楽しみながら制作された様子が伝わってきます。

そんな、アクセサリーの特性を理解しながらフィーノを活用している青池さん。持ち運びがしやすいフィーノを、アトリエ内の使いやすい場所へ持っていって作業できることがお気に入りだそうですが、使い心地の面でも満足されているそう。

青池茉由子さん:「指がフィットする部分があるので、ぐっと力が込めやすいです。他のロータリーツールを使うこともありますが、削り出しの時、指先に集中してないと跳ね返されてしまうものもあるんです。でも、フィーノはしっかりと持ちやすいので助かっています。ダイヤルで回転速度の調整もできるので、最初は緩やかな速度から始めて、どのくらいで削れるのか、力のかけ具合がわかってきたら速くして使っています。ダイヤルを回しても回転がストップせず、スーッと切り替わっていくのも良いですね。」

普段から様々な工具を使用するクリエイターの方だからこそ、細かい部分までこだわって設計されたフィーノの使いやすさを、より実感できるのかもしれません。

とても素敵な作品を紹介してくれた青池さん。最後に、今後作ってみたいものをお伺いしました。

青池茉由子さん:「ガラスの場合だったら、今回の作品にもあるような丸いテクスチャーを、今より広い面に加えた何かを作ってみたいです。あと、真鍮とか他の素材も興味がありまして。一緒に加工してガラスと組み合わせると、お互い生かし合って新しいものが生まれそうな気がします。」

クリエイターの想像力を刺激する、ドレメル フィーノ。これからも、たくさんの素晴らしい作品が生まれるのではないでしょうか。もちろんクリエイターの方だけでなく、誰でも気軽に使えるので、今日のお話を参考にフィーノを使ったDIYにあなたもチャレンジしてみてくださいね。

お話を伺った方
青池茉由子ガラス作家

北海道 札幌育ち。ガラス素材を使った作品制作を中心に、デザインやモノコトづくり、様々なアートワーク等を行う。2014年に個人事業「デザインアトリエBLUEPOND(ブルー・ポンド)」を設立。

WEB:bluepond-jp.tumblr.com
Instagram:@bluepond_jp
ONLINE STORE:https://bluepond.stores.jp

紹介した作品
「ガラスのカトラリーレスト」

【使用素材】ガラス
【使用アクセサリー】ダイヤモンドホイールポイント#7144N1、#7105 N1、#7134 N1、#7103 N1

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